2022年6月1日、カナダ国銀行は4月の利上げ(その記事はこちらから)から、再び0.5%を引き上げ、公定歩合を1.5%としました。物価の急騰を抑えるには引き締めは必須との見解で、インフレを防ぐ為、最終的には2%まで上げる事を視野に入れていると言います。
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今日は、金利に焦点をあてず、金利が上がると
どのように不動産市場に影響が及ぶのかを、わかりやすく解説したいと思います。

**4月の利上げによって、起こった市場の変化**
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・5月のバンクーバーの不動産の売り上げ件数が、1か月で9.7%下落

・5月に新規に売りに出された物件数が、4月が7125件であったのに対して、5月は6377件と10.5%減少

・(一戸建て、タウンハウス、コンドミニアム全ての物件をタイプを含めて)
 総体平均取引価格は4月と比べて0.3%下落

次に、なぜこのような変動が生じたのか?についてーーーーーーーー

このからくりは簡単です。

金利が上がる事により、50万ドル借りられるはずだった金額が42万ドルになってしまった、というように(あくまでも、わかりやすく説明しています。厳密に算出された金額ではありません。)
さらにSTRESS TEST(←こちらからチェック出来ます)という厳しいハードルもありますから、手が届くと見込んで、家を探していた人達が、突然手が届かない状況になり、不動産市場から去らざるを得なくなったのです。不動産を買うという事は、現実的な予算抜きには実現不可能だという事になりますね。
売り上げ件数が上で述べたように如実に減少したという事は、それだけ、ほとんどの買い手が融資を組んでの購入だという事が言えます。融資を必要とせず現金で購入出来る人は少ないという事を表しています。

新規売り上げ件数が減るという現象は、売り手の反応を表します。
買い手の減少は、つまり、需要の低下。相場価格が天井をついたかも知れない、と察するのです。
そこで様子を見る、という心理が働きます。

我々不動産エージェントも、はっきりと現場で体感出来る上記ふたつの潮目の変化ですが、

価格に関しては、わずか0.3%の下落です。(これは横ばいと言えます。)

これはなぜなのでしょう?

不動産価格の変動は、急降下、急上昇はありません。
「じわじわと」です。じわじわと、という表現がぴったりです。
一斉にぱたっと、買い手や売り手がゼロになる事って無いですものね。
現金で買われる方は、金利など関係ありませんし、
また、国外に関わらず、州外からも来る新居住者にとっては、住む家が必要となるわけですから、
家を買うタイミングに変更を加えたくないというケースもあります。
その他、買い替えや、なんらかの理由で、今引っ越しをしたい、という人達もいます。

また、相場価格が天井をついた?、という情報を得た人たちが、新たに不動産市場に
参入するというのも、典型的な傾向です。

では、今後価格の下落を引き起こす要因となるものは何になるでしょう?

それは、需要が供給を大きく下回る事です。
需要(買い手)が減る。
でも、供給(売り手)も減る。という事であれば、価格は横ばい。

需要(買い手)が減る。
供給(売り手)が増える。 となった時、価格はじわじわと降下。

6月1日の今年2度目の金利再引き上げがどのように市場をシフトさせるのか、これで
なんとなく推測出来るような、そんな記事となりましたら幸いです。

不動産市場の動きは、グラフで横一直線という事はあり得ないわけで、
常に上昇と下降の連続です。太陽が沈んで昇るのと同じです。

一喜一憂せず、感情で事態を決めつけず、冷静に、ビジネスに必要な理性だけをフル活用していれば大丈夫。
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最後までお読み下さりありがとうございました。



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